Xperia Z Ultraに、Android 7.1.1相当となるAOSiP5.6のβビルドを導入してみました。今回使用したモデルはC6806で、データ通信・カメラも含め基本的な機能は動作しています。インストールするには、事前にブートローダーをアンロックする必要があります。
目次
AOSiPとは
Mike Williams氏とその有志に開発されている、Android Open Source Project(AOSP)ベースに様々な新機能を追加したカスタムROMです。今回導入したのは、Team Illusionによって配布されている、ズルトラ用のβビルドになります。
注意
カスタムROMのインストールは端末を文鎮化(破壊)する可能性があります。筆者はこれらの如何なる損害において、責任を負いかねます。以下の操作は自己責任のもとに行ってください。
インストール手順
インストールするにはブートローダアンロック済みで、TWRPが導入されている必要があります。これらの手順については、こちらの記事をどうぞ。
必要なファイルの準備
- AOSiPのイメージをこちらからダウンロード
OpenGAppsからAndroid 7.1.1用のGAPPsをダウンロード。アーキテクチャはAMDを選択。
XZDualRecoveryの公式ページから、最新版のインストールイメージダウンロードします。
AOSiPのインストール
端末を一度シャットダウンし、起動時にボリュームダウンキーを連打してリカバリーモードに入る。
TWRPが起動したら、『Wipe』をタップ。
※TWRPでは『電源キー』と『ボリュームダウンキー』の同時押しでスクリーンショットが撮れます。『Dalvlk Cache』、『System』、『Cache』、『Data』パーティションを選択し、『Wipe』ボタンをスワイプする。
最後にGAppsを選択したら、『Flash』ボタンをスワイプ。
機能テスト
インストール後に簡単な動作テストを行いました。
動作した
- 無線LAN(Wi-Fi)
2.4Ghz/5Ghz帯ともに動作。 モバイルネットワーク
データ通話(LTE&3G)、電話の両方が動作。GPS
- 輝度センサー&近接センサー
- USBストレージ・MicroSDカード
部分的に動作/不安定
カメラ
フロント・リア共に動作しますが、全体的に彩度が落ちて若干のノイズがのります。最新版のGoogleカメラだと動作しないので注意。Bluetooth
不定期にOSのBluetoothスタックごと落ちます。手持ちのデバイスとはペアリングできませんでした。
省電力
バッテリーがストックROMの半分ほどしか、もちませんでした。
ベンチマーク
ベンチマークにはGearbench4を使用しました。ストックROM(Android 5.1.1)と比べ、CPUのパフォーマンスは上昇し、GPUは低下するという不思議な結果になりました。CPUスコアの差は、スケジューリングアルゴリズムの違いに起因する気がします(AOSiPではondemandガーバナーがデフォルトなのに対し、ストックROMではinteractiveガーバナーがセットされている)。
OS | Single-Core | Multi-Core | Render Script (GPU) |
---|---|---|---|
ストックROM | 904 | 2273 | 2475 |
AOSiP 5.6 | 991 (+9.6%) | 2623 (+15.4%) | 2052 (-17.1%) |
まとめ
2013年発売のXperia Z UltraでNougatが動作するのは感動ものですが、バッテリー持ちが悪く常用には厳しい気がします。ベンチマークを見る限り、端末の能力としてはNougatを扱えそうですが、残念なことにROMそのものの開発は停止しているようです(最新ビルドは約1年前)。しばらくサブ機として使ってみて、そのうち他のROMとの比較レポートをしたいと思います。
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