軽量で汎用性の高い、Arch LinuxをHyper-Vホスト上に一からセットアップした記録です。Hyper-Vホスト上での仮想マシン作成、fdiskを用いたパーティション操作からOSイメージのインストールまでをカバーしています。ArchのCUI環境は他のディストリビューションと比べ、メモリ使用量がかなり少なく軽量です。
セットアップ手順
目次
仮想マシンの作成
- Hyper-Vマネージャーから第2世代仮想マシンを作成する。
メモリは最低でも768MB割り当てておけば、インストールは正常に終了します。
仮想マシンを作成した後、セキュアブートを無効にしておく。
インストール先ディスクの準備
パーティションの作成
ArchLinuxのインストールディスクを仮想マシンにアタッチして起動し、コンソールが立ち上がるのを待つ。コンソールでは常にTab補完が利用可能。
(日本語キーボードを使用している場合)キーボードレイアウトをjp106に設定。
localectl set-keymap jp106
パーティション操作ツールであるfdiskを起動。
fdisk /dev/sda
『g』キーを押して、GPTテーブルを作成する。
→Created a new GPT disklabel…と表示されれば成功しているefiパーティションを準備する。『n』キーを入力し、エンターキーを二回押す。
LastSectorを+512Mに指定。Enterキーで続行する。
5-6の作業をあと2回繰り返して、以下の3つのパーティションを作成する。
Partition # 用途 Last Sector (+サイズ) Partition Type 1 EFIブート用 +512MB 1 2 ※SWAP +2048MB 19 3 ルート 残りの領域すべて (空欄) (default: 20) 一番目のパーティションをEFIパーティションに設定。以下のキーを順番に入力:『t』『1』『1』
同様に二番目のパーティションをスワップに:『t』『2』『19』
『w』キーで変更を書き込む
パーティションの初期化
スワップパーティションを有効化する。
mkswap /dev/sda2 swapon /dev/sda2
ルートパーティションをext4でフォーマット。
mkfs.ext4 /dev/sda3
EFSパーティションをFAT32でフォーマット
mkfs.fat -F32 /dev/sda1
作成したパーティションをマウントする。
mount /dev/sda3 /mnt mkdir -p /mnt/boot/efi mount /dev/sda1 /mnt/boot/efi
ArchLinuxのインストール
ネットワークの設定
インターフェース一覧を表示
ip link show
DHCPを利用する場合
- dhclientを利用する。
dhclient eth0
手動で設定する場合
- IPアドレスをCIDR表記でeth0に指定。
ip addr add 192.168.0.100/24 dev eth0
- デフォルトゲートウェイを追加。
ip route add default via 192.168.0.1
- DNSサーバーのアドレスを/etc/resolv.confに追加
echo 'nameserver 8.8.4.4' >> /etc/resolv.conf
レポジトリ設定の更新
- (国内運用のサーバーの場合)パッケージのダウンロード先jaistのサーバーに変更する。
vim /etc/pacman.conf
※vi(m)が苦手な方はnanoエディタが利用可能です。
[core]の行で『o』キーで行を挿入。以下のエントリを入力。
Server = ftp://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/ArchLinux/core/os/$arch
システムのコピー
システムをインストールする。
pacstrap /mnt base
マウント情報をコピーして、新しいシステムに移行する。
genfstab -U /mnt > /mnt/etc/fstab arch-chroot /mnt
grub(ブートローダー)をインストール。『Y』キーで続行。
pacman -S grub efibootmgr
ブートローダーをEFIパーティションにインストールする
grub-install --target=x86_64-efi --efi-directory=/boot/efi --bootloader-id=GRUB grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg
タイムゾーンを設定
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime hwclock --systohc
ホスト名を設定
echo 'hostname' > /etc/hostname
rootパスワードの設定
passwd
以上でセットアップは終了です。exitコマンドでchrootを抜けて、rebootで再起動します。
おまけ
ネットワーク管理
Arch Linuxでのネットワーク設定管理にはsystemdを使うのがシンプルでよいです。
systemctl enable systemd-networkd
レポジトリの更新
pacman -Syy
sshdのインストール
pacman -S opelssh vi /etc/ssh/sshd_config systemctl enable sshd
sudoのインストール
- pacmanを利用してインストール
pacman -S sudo
sudoersファイルのwheelの行をコメントアウト
vi /etc/sudoers
sudoを利用したいユーザーをグループwheelに追加。
usermod -aG wheel ユーザー名
まとめ
Arch Linuxは非常に軽快に動作しますが、インストールには多少の手間がかかります。初期インストール後にスナップショットを作成しておくか、仮想ディスクのコピーを作成しておくとで次回以降が楽になります。
参考URL
https://wiki.archlinux.org/index.php/Installation_guide
https://wiki.archlinux.org/index.php/GRUB
https://wiki.archlinux.org/index.php/Hyper-V
https://access.redhat.com/sites/default/files/attachments/rh_ip_command_cheatsheet_1214_jcs_print_ja4.pdf
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