• Skip to content
  • Skip to primary sidebar

なしっぺのITブログ

主にネットワーク機器に関する雑記帳

Header Right

dTop / ネットワーク / RTXシリーズ

RTX1200でv6オプション向けIPv4/v6デュアルスタック設定

f i tA: 2018-03-07 C: 0 件のコメント

Softbank光が提供するIPv6ネイティブ接続(IPv6 IPoE)をRTX1200を利用するためのセットアップ例。基本的にはフレッツのv6オプションを利用するための設定ですので、ほかのv6プラス対応プロバイダでも応用できると思います。2018年現在、IPv6対応のウェブサイトは増えつつあり、IPv6ネイティブ接続を活用することでインターネット通信の速度・応答速度向上が見込めます。

目次

  • 1 概要
    • 1.1 なぜIPv6で早くなるのか
    • 1.2 v6オプションについて
  • 2 配線方式
    • 2.1 ONU配下にRTX
      • 2.1.1 メリット
      • 2.1.2 デメリット
    • 2.2 ONUルーターと同列にRTX
  • 3 設定手順
    • 3.1 IPv6 IPoE設定
    • 3.2 接続テスト
    • 3.3 (オプション)DNS設定
  • 4 ベンチマーク
  • 5 まとめ
  • 6 参考URL

概要

なぜIPv6で早くなるのか

ネットワークアドレスポート変換(NAPT、別名IPマスカレード)が介在しないから、これに尽きます。既存のIPv4を利用したピアツーピア通信の場合、ほとんどの場合において複数回のNAPT、宛先と送信元のアドレス・ポート番号書き換えが行われます。IPv6通信の場合は、両端の端末がグローバルなIPアドレスを持っているため、アドレス変換の必要性がありません。加えて、IPv6通信では、かつてOSIモデルの第3層で行われていた整合性チェックが行われないため、パケットあたりのチェックサムの計算回数がは少なくなります。従って、パケットを転送するための処理コストが削減され、通信速度の向上が見込めます。

v6オプションについて

NTTが提供している、フレッツ網(NGN)におけるIPv6接続サービスです。月額利用料は無料ですが、v6オプションはNGN構内におけるIPv6通信のみを提供します。IPv6インターネットに接続するためには、別途NGNに接続されたIPv6対応のプロバイダと契約する必要があります。Softbank光のIPv6高速ハイブリッドを利用している場合は、自動的にBBIX経由でIPv6インターネットに接続可能になります。一点注意すべきは、ひかり電話の契約有無によって設定内容が変わる点です。本記事はひかり電話の契約がある場合(IPv6アドレスがDHCPv6で配布される)を想定しています。

配線方式

RTX1200をONUに接続するには、二つの方式があります。

ONU配下にRTX

ONUのLANポートにRTX1200を接続します。IPv6ネイティブ接続(IPoE)を利用する場合は、こちらの方式が推奨です。

メリット

  • ONUのひかり電話(加えて、SIPサーバー機能)が利用可能
  • 追加の機材が必要なく、配線がシンプル

デメリット

  • ONUのルーターを介在させることによるパフォーマンスの低下の”可能性”
  • RTXで利用できるアドレス空間が/60(2^68≒3垓個のIPv6アドレス、実質無制限)に限られる

配線図は以下のようになります。ONUがフレッツ網からDHCPv6で割り当てられる/48アドレスを取得、RTX1200は再配布される/60のアドレスを利用します。

ONU配下にRTX1200を設置

ONUルーターと同列にRTX

RTX1200でIPv4 PPPoE接続を利用していた場合、こちらの配線方法が一般的な気がしますが非推奨です。現状、ONUルーター上でDHCPv6クライアント機能を切れないため、ONUがフレッツ網からDHCPv6で取得する/48のIPv6アドレスと、RTX1200に同様に割り当てられるアドレスが競合します。従って、以下のようにONUのルーター向けのDHCPv6パケットを破棄するか、RTXでアドレスを再配布する必要があります。このセットアップでひかり電話が動作するかどうかは未検証です。

ONUのルーター部と同列にRTX1200を配置

ご存じの方も多いと思いますが、ONUとそのルーター部はLANケーブルで接続されています(写真はPR-400NE)。

小型ONUもこちらのカテゴリになると思いますが、運用中の方がいらっしゃればぜひ教えてください。

設定手順

IPv6 IPoE設定

  1. LAN3でDHCPv6クライアントを有効にする
    ipv6 lan3 dhcp service client
    ngn type lan3 ntt
    

  2. LAN1にIPv6アドレスを割り当て

    ipv6 lan1 address dhcp-prefix@lan3::1/64

  3. LAN1でDHCPv6サーバーを有効にする

    ipv6 lan1 address dhcp-prefix@lan3::1/64
    ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on
    ipv6 lan1 dhcp service server
    

  4. LAN3にファイアーウォールに動的ファイアウォールを設定。IPv6通信では全てのicmp6パケットを通す必要がある。

    ipv6 lan1 secure filter in 1010 1011 1012 1999
    ipv6 lan1 secure filter out 2999 dynamic 100 110
    ipv6 filter 1010 pass * * icmp6 * *
    ipv6 filter 1011 pass * * tcp * ident
    ipv6 filter 1012 pass * * udp * 546
    ipv6 filter 1999 reject * * * * *
    ipv6 filter 2999 pass * * * * *
    ipv6 filter dynamic 100 * * tcp
    ipv6 filter dynamic 110 * * udp
    

  5. IPv6通信のデフォルトゲートウェイをLAN3に設定

    ipv6 route default gateway dhcp lan3
    

これでLAN1上のクライアント機にIPv6アドレスが割り振られ、IPv6接続が利用可能になるはずです。

接続テスト

接続テストには、ipv6-test.comがおすすめです。スコアが17/20以上であれば、IPv6接続するための設定が正しく行われています。

以下のようにFallbackテストに失敗する場合は、次のDNS設定を行うと解決する場合があります。

(オプション)DNS設定

  1. AAAAレコードをDHCPv6経由で取得。
    dns server select 1 dhcp lan3 aaaa .
  2. Aレコードを既存のDNSサーバーから取得。以下はIPv4 PPPoE接続がpp1に設定されている場合の設定。
    dns server select 10 pp 1 any .

    GoogleのPublic DNSを利用する場合は

    dns server select 10 8.8.4.4 any .
  3. RTX1200上のDNSキャッシュをクリア
    clear dns cache
  4. クライアント上のDNSキャッシュをクリア。Windowsの場合はコマンドプロンプトで
    ipconfig /flushdns

ベンチマーク

IIJmioのIPv6測定サイトで計測しました。複数回測定しましたが、おおよそ下り400Mbps前後でした。

まとめ

RTX1200でフレッツ光のv6オプションを活用するには、RTX1200をONU配下に設置するのが簡単です。IPv6からIPv4へのフォールバックに失敗する場合は、DNS設定を見直します。Softbank光では前回のセットアップと組み合わせることで、IPv4通信はIPv6トンネル経由で、IPv6通信はネイティブ方式で行うことで、通信速度が大幅に改善されました。

このエントリーをはてなブックマークに追加  

参考URL

https://www.ripe.net/about-us/press-centre/understanding-ip-addressing
https://www.networkcomputing.com/networking/six-benefits-ipv6/1148014746
http://www.jpne.co.jp/service/v6plus/
https://network.yamaha.com/setting/router_firewall/flets/flets_other_service/ipv6_ipoe-rtx1200

オススメの記事

  • RTX1200でSoftbank光のIPv6高速ハイブリッドを利用
  • ひかり電話(SIPサーバー機能)をRTX1200と併用する
  • OpenWrt/LEDEでタグVLANを使う
  • OpenWrt/LEDEでリンクアグリゲーション/チーミング設定
  • > RTX1200でSoftbank光のIPv6高速ハイブリッドを利用
    < ズルトラ(Xperia Z Ultra) のブートローダをアンロックする
    ↑

    DRTXシリーズ THowTo, IPv4, IPv6, Softbank光, デュアルスタック, ONU, 回線高速化, ルーター

    Reader Interactions

    cコメントを残す コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。

    Primary Sidebar

    目次

    • 1 概要
      • 1.1 なぜIPv6で早くなるのか
      • 1.2 v6オプションについて
    • 2 配線方式
      • 2.1 ONU配下にRTX
        • 2.1.1 メリット
        • 2.1.2 デメリット
      • 2.2 ONUルーターと同列にRTX
    • 3 設定手順
      • 3.1 IPv6 IPoE設定
      • 3.2 接続テスト
      • 3.3 (オプション)DNS設定
    • 4 ベンチマーク
    • 5 まとめ
    • 6 参考URL

    カテゴリー

    • *nix共通 (1)
    • Android (3)
    • Hyper-V (2)
    • Linux (3)
    • Windows (3)
    • ネットワーク (5)
      • OpenWrt (2)
      • RTXシリーズ (3)
    • ホスティング (1)
    • 無線技術関係 (1)

    スポンサーリンク

    アーカイブ

    • 2020年6月 (1)
    • 2019年7月 (1)
    • 2019年1月 (1)
    • 2018年6月 (1)
    • 2018年5月 (1)
    • 2018年4月 (3)
    • 2018年3月 (10)

    © 2021 なしっぺ (nashippe)

    m連絡フォーム Pプライバシーポリシー rFeed

    当ブログの内容、文章、画像等の無断転載・使用を固く禁じます。
    また、許可なく各種まとめサイト(NEVERまとめ、Qiitaなど)への転載はご遠慮ください。